湘南産とスペイン産オリーブオイルのブレンド。
スペイン在住のオリーブ専門家、田中富子さんに手掛けていただきました。
スペイン産はアンダルシア地方ハエン県の農園のオイルです。
香りは爽やかなグリーンや柑橘系の果実。
口に含むと先ず優しい甘味を感じます、これは湘南産のオリーブオイルの風味。その後に来る軽やか苦味と辛味はスペイン産のポリフェノールの特徴、ハーブ感が全体をまとめてくれます。それぞれの産地の良い特徴のバランスが取れたフルーティーなオリーブオイルです。
夏の味覚、冷たい麺類、カツオや夏野菜と相性の良いオリーブオイルです。
是非、お試しください!
ブレンドを手掛けていただいた田中富子さん
~田中さんのコメント~
毎年出来がグングン良くなってるな。。。
これは、私が今期の湘南さんのオイルをテイスティングした時に最初に思ったことです。毎年複雑性とバランスがとても良くなっている。これこそ自然と人間が織りなすチームワークの技そのもの。
湘南さんのオイルの特徴を消さないよう、補完的で尚且つバランス良く補強できる組み合わせを考えたい。そう思いました。主役は湘南さんのオイルと私は考えています。そうでなくては意味がないと。
まずは、頭に浮かんだ品種数種と組み合わせしてみます。相互作用が起こる品種、そうでない品種、バラツキを感じる品種、、、毎年ちょっとずつ違うから面白いです。オイルが、“ここは引くから、ここを補強してみては?”と言っているような気がします。
今期のスペインのオイルの多くはその気候から苦味が秀でているものが多いと感じました。苦味、辛味はポリフェノールの含有量が決定づけており、抗酸化物質であるため、健康的にもちろん良いし、またオイル自身も酸化しにくくなる=劣化しずらいというプラス要素があるわけでありますが、やはりオリーブ実のフルーティの強度とのバランスが良くなくては“美味しい食べ物”としての意味をなさないわけです。今期のスペインオイルの特徴から、その点も十分考慮しなくてはと思いました。
フルーティさと苦味と辛味のバランスが良く取れているピクアル種を見つけたので、組み合わせしてみました。ピクアル種は安定して湘南さんのオイルと合うようで、見事なハーモニーが生まれるのを感じました。しゃしゃり出てこないところにぐっときたのです。フルーティさが高いので、苦味と辛味は調和が取れていると思いました。
また、以前からコルニカブラとの相性はどうかなと思っていたところに、フルーティ度が高い興味深いコルニカブラとの出会いがあったので、早速試してみました。すると、かおりと味に深みが出ました。重厚さが増す感じ。後ろから分厚いフォローアップがされる感じでした。コルニカブラは元来苦味が高い品種です。そのため、その配分量は調整する必要があります。しかしながら、十分な助演的役割をしてくれている実感がありました。
私は、オイルの複雑性とそれらの調和は大事な要素と考えています。そのためには、主役を尊重しながらも、ちらりと出てくるさり気ない補完的存在がなくてはなりません。その官能的特徴はもちろん、それらの強度や複雑性は本当に重要です。調和を作り、皆で総合的に勝っていく。そんなオイルは、じわりじわりと良い味を出していくものです。
作り手の想いを想像しながら味わっていただいたら、このオイルに携わった全メンバーの波動が皆さんに伝わってくると思います。皆さんのお食事の大切な一場面を共有させてもらえたら、オイルはとっても喜び、益々美味しくなると思います。皆さんと一緒に美味しさを広げることができたら嬉しいです。
田中富子